平成14年4月4日

報 道 各 位

東京大学大学院 経済学研究科・経済学部
ハーバード・ビジネス・スクール 日本リサーチ・センター
ストックホルム商科大学 欧州日本研究所
三菱地所株式会社

          

丸ビル9階に世界の大学のリサーチ拠点が集結

 三菱地所は、本年9月6日にオープンする丸の内ビルディング(丸ビル)9階の一画に、「ビジネス知の創発とインタラクション」を基本理念とした、世界を代表する大学のリサーチ拠点が集まるスペース「(仮称)丸の内アカデミック・リサーチ・センター」を開設致します。日本から東京大学大学院経済学研究科・経済学部、米国からハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター、欧州からストックホルム商科大学 欧州日本研究所の入居が決定しているほか、引き続き入居大学を増やしてまいります。入居する各大学は独自の研究活動を行う他、プロジェクトベースで協力して入居校間のインタラクション活動も行っていきます。

1.「(仮称)丸の内アカデミック・リサーチ・センター」開設の経緯
 21世紀の日本企業は、市場、技術、社会といった企業環境が、グローバルに変化している中で、ビジネス知の創造、共有が重要な経営課題の一つとなってきております。三菱地所では、知識創造型社会が到来する中で、国境や大学・企業の境界を超えた国際的な産学連携を促進するリエゾン機能の集積が丸の内再開発における街の付加価値アップにつながると考え、本スペースを開設することとしました。
 三菱地所では、丸の内エリアの企業及びその就業者と入居する大学との間で、産学共同研究会等のインタラクション活動の場が生まれるように支援してまいります。

2.参加校の活動概要

@東京大学大学院経済学研究科・経済学部
背景、目的
 日本では、大学が研究活動面において社会との連携及び協力を進めることに経済再生の期待が高まっています。また、ビジネス研究の分野では活力に富み国際競争力のある大学づくりが求められてもいます。こうした中、東京大学大学院経済学研究科・経済学部では、文部科学省の平成12年度・平成13年度の教育研究拠点形成支援経費を受けて「ビジネスモデル開発室」を設置し、文系の部局では唯一、承認TLO(技術移転機関)であるCASTIの分室も置き、既に経営グループの教官によるCASTIを利用したビジネスモデル特許出願、ライセンス契約、コンサルティング契約の実績も生まれています。そうした流れの中で、今回は、経営グループを中心として、世界のトップ・ビジネススクールとの日常的なコミュニケーションの場、さらには産業界との共同研究の場を作り出すために、東京大学大学院経済学研究科・経済学部は東京駅前「丸の内」にサテライト・オフィスを構えることになりました。

特定非営利活動法人グローバル・ビジネス・リサーチ・センター
 東京大学大学院経済学研究科・経済学部の丸の内サテライト・オフィスの柔軟な運営と管理のために、また産業界とのリエゾン機能を発揮するために、同研究科企業・市場専攻の経営グループの教官有志が中心となってNPO法人となる「特定非営利活動法人グローバル・ビジネス・リサーチ・センター」(GBRC)を設立しました。
 活動の目的
 GBRCは、その設立趣旨書にもあるように、
 ・世界に誇れるビジネス知の教育研究ネットワークの確立
 ・研究者、特に若手研究者に世界最高水準のビジネス知の教育研究環境の提供
 ・グローバル・インターンシップ等を通じて、国際社会に通用する人材の育成
 ・得られたビジネス知を広く社会にフィードバックすることでの普及・教育
 を目指します。
 運営、活動内容
 教官、研究者、大学院生はもとより、社会人に広く門戸を開き、運営していきます。学術講演会の開催やビジネスモデルの開発支援、共同研究や受託研究、更に4月下旬からは、英文(季刊)と和文(月刊)の2種類のオンライン・ジャーナル、ニューズレター(週刊)等を発行して情報発信していく予定です。4月下旬から本格稼動するGBRCのURLは http://www.gbrc.jp

Aハーバード・ビジネス・スクール 日本リサーチ・センター
背景、目的
 ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)日本リサーチ・センターは、2002年9月から丸の内ビルディングで本格的な活動を開始します。HBSは、グローバルな知を創造・発信し、世界のビジネス・リーダーにとって重要な経営課題に関する革新的でインパクトのある研究を続けています。この活動をより充実するため、HBSは1999年、香港にアジア・パシフィック・リサーチ・センター、2000年にブエノスアイレスにラテン・アメリカ・リサーチ・センター、2002年2月にはパリにヨーロッパ・リサーチ・センターを開設しました。日本リサーチ・センターは2001年12月に発足し、既にケース・スタディ作成などの研究活動を始めています。

活動内容
 日本で国際的な活動を行う企業を対象とした研究およびケース・スタディ
 グローバルなビジネス知の創造と発信(HBSの教授によるシンポジウムの開催等)
 日本の経済界のリーダーや学界との建設的な関係の構築

Bストックホルム商科大学 欧州日本研究所
背景、目的
 欧州日本研究所(The European Institute of Japanese Studies(EIJS))はストックホルム商科大学内に、ヨーロッパの代表的な日本の研究機関になることを目指して1992年に設立されました。日本での活動拠点はEIJS 東京事務所が中心となって活動しておりますが、今後はビジネス街の中心地「丸の内」にオフィスを移転し、更に活動を活発化させていきます。

活動内容
 EU駐日代表部、スウェーデン大使館、ヨーロッパ・ビジネス・コミュニティー(EBC)
 在日スウェーデン商工会議所等と連携をとりつつ、日欧企業に勤めるビジネスパーソンを対象にした月1回の定例セミナーを開催し、現在の日本経済・経営・ニュービジネス等々に焦点をあてた英語によるレクチャー、Q&A等を通じて国際社会に通用する人材の育成に努めております。大学生は無料でセミナーに参加できます。また、不定期に海外より著名な政治家、経済学者等を招きシンポジウムを開催していきます。
 今後の活動に関しては、従来からの独自の活動に加え入居大学との共同プロジェクトを通して産業界の人材育成の一翼を担っていく予定です。

以  上