東大経済の「ものづくり経営研究センター」構想が
21世紀COEプログラムとして採択されました
すでに新聞等で大々的に報道されていますが、7月17日(木)に平成15年度「21世
紀COEプログラム」の審査結果が日本学術振興会から発表されました。社会科学
分野では、GBRCと密接に関係した拠点プログラム「ものづくり経営研究セン
ター」が採択されました。
ここで「COE」とはセンター・オブ・エクセレンス(卓越した拠点)の略で、大学
に世界最高水準の研究拠点をつくるため、文部科学省が優れた研究計画に資金を
重点配分する制度として昨2002年度から導入されたものです。人文、社会科学か
ら自然科学までの学問分野を10分野に分類し、昨年度は5分野、今年度は社会科
学分野を含んだ5分野を対象として、各分野10〜30件の拠点プログラムを選ん
で、資金を重点配分することになっています。当初は、文部科学省がまとめた
「大学の構造改革の方針」(遠山プラン, 2001年)の中で、各分野での「国公私
トップ30大学」構想として打ち出されましたが、その後、名称を変更しました。
今回、社会科学分野(法学、政治学、経済学、経営学、社会学、総合政策等)では
26件が採択されています(申請は105件)。
今回採択になった、GBRCと密接に関係した拠点プログラム「ものづくり経営研究
センター」は、東京大学大学院経済学研究科企業・市場専攻の経営グループが中
核となっているプログラムで、藤本隆宏教授(GBRC常務理事)をリーダーとし、片
平秀貴教授(GBRC理事長)、高橋伸夫教授(GBRC理事)、新宅純二郎助教授(GBRC理
事)、阿部誠助教授(GBRCフェロー)、粕谷誠助教授(GBRCフェロー)が事業推進担
当者に名を連ねています。
GBRCや丸の内サテライト・オフィスにも言及している「採択拠点の拠点形成概要
及び採択理由」は次のようになっています。
(拠点形成の概要)
本センターは、「統合型ものづくりシステム」を一般的な枠組によって記述・分
析し、世界へ知的発信を行いうる最高水準の研究拠点を形成することを主たる使
命とする。このために、以下の4つの研究プロジェクトを柱とする。(1) 統合型
システムの一般体系化研究:産学共同体制により「統合型システム」の構造と機
能に関する知識体系の一般化を行う。(2)アーキテクチャ研究:設計思想(アーキ
テクチャ)の視点からの産業論や戦略論を確立する。(3)ブランド力・販売力研
究:ものづくりの強さを利益に反映させるブランド・マネジメントと販売力に関
する比較研究を行う。(4)産業競争力の国際比較研究:海外の有力研究機関と連
携する恒久的な組織を編成し、産業・企業・事業レベルの競争力測定のツール開
発とデータ収集・分析を行う。また、若手研究者・専門家育成のため、丸の内サ
テライト・オフィス、NPO法人(GBRC)、経営特修コース、インターンシップなど
を活用する。
(採択理由)
トヨタ生産方式やTQCに代表される日本企業の「総合型ものづくりシステム」を
20世紀後半にわが国が世界に向けて発信できた、世界に誇るべき知的資産とし
て捉え、これを一般的な枠組みによって記述・分析し、世界へ発信しようとする
もので、極めて野心的な計画である。事業推進担当者の今までの実績からすれ
ば、経営学の分野で存在感の薄かったわが国の研究活動がようやく世界レベルに
仲間入りし、高く評価されるし、それだけの力を十分に備えている。加えて、大
学全体としての支援、リーダーを初めとする事業推進担当者の意欲ともに十分で
あり、若手の養成に努めることにより、有力な世界的拠点となることを期待す
る。
こうしたご期待に沿えるように、GBRCもCOEの活動拠点の一つとして、十二分に
力を発揮していきたいと思います。
審査結果・採択理由の詳細については、日本学術振興会のホーム・ページ
http://www.jsps.go.jp/j-21coe/07_kekka/index.html
または文部科学省のホーム・ページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/coe/03071701.htm
をご覧ください。
ちなみに東京大学大学院経済学研究科からは、もう一つ「市場経済と非市場機構
との連関研究拠点」(経済理論専攻)も採択されており、一研究科から複数のプロ
グラムが採択されるのは、かなり珍しいことです。経営学では、他に一橋大学と
神戸大学のプログラムも採択になっています。
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