『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.2, No.10 発行!!
『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.2, No.10が発行されました。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/index.html
目次と要約は下記の通りです。今回は高橋・中野論文が50ページの大作です。こ
れも枚数制限なしのオンライン・ジャーナルならではですね。この論文では、米
国やドイツにおける技術移転の姿もふまえた上で、日本における産学連携の現状
と実態を出発点にして、大学側からの技術移転を実践的にどのように構想してい
くのかが明確に示されています。GBRCの運営方針も基本的にこの路線に沿って練
られたものです。
「研究会報告」2本は無料で会員以外にも公開しています。
森 摂 pp. 475-480 (699KB)
〔潮流2003〕第九回
「ブランドづくりは人づくり ?ブランディングDNAを伝達せよ」
ブランドとは何か。ブランド構築に欠かせない要素とは何か。筆者はブランド
構築の仕組みを解き明かそうと取材を続けてきたが、最近、「結局のところ、ブ
ランドをつくるのは人であり、それを守り、発展させるのも人である」という思
いが強くなってきた。マーケティング、営業、販売、接客など「ブランドづくり
の根幹」と見られがちな部門だけでなく、製品開発やデザイン、生産部門、人
事、総務など企業のあらゆる部署が、企業のブランド価値と密接に関係してい
る。さらに、企業がグローバルな展開をすればするほど、ブランドの哲学・精神
をいかに正しく、力強く伝えられるかがカギとなる。そのDNAの役割を果たすの
も、結局は「人」なのである。今回はグローバル企業3社の最前線から、人づく
りを通じたブランド戦略を検証する。
高橋伸夫・中野剛治 pp. 481-530 (0.98MB)
「技術移転の考え方―大学と大学に所属する研究者のために―」
ややもすると特許件数やロイヤルティー収入の額に目が行きがちな大学の技術
移転を産学連携の現場の視点から捉え直す。そこは、マーケッタビリティーを機
軸とする営業活動の中で、大学と大学に所属する研究者の権利をいかに守るかの
せめぎ合いの現場である。真の技術移転とは特許の移転ではない。特許を作り出
せるだけの技術をもった人の移転である。研究教育機関としての大学の真価はそ
こにある。
キーワード:技術移転、TLO、ビジネスモデル
コンピュータ産業研究会 pp. 531-538 (890KB)
松原 義継
「あるビデオゲームの開発事例
―納期優先に基づく行動及び開発経費の比較―」
コンピュータ産業研究会 pp. 539-562 (2.26MB)
陳 東瀛
「産業クラスターにおける企業間のインターフェース構造と調整パターン、およ
び集積メカニズムとの関係性
―台湾・新竹科学園区の事例研究―」
新竹科学園区は、アジア初のシリコンバレー型産業集積である。しかしながら
新竹を産業集積・クラスターに関する議論に立脚して研究した成果というのはそ
れほど多くない。そこで、集積の成立とその要因、分業・集積の維持・拡大の原
理という二つの問題意識から研究を行った。その結果、新竹の発展プロセスにお
いては集積そのものは意図的なものであった、戦略の応用力・創造性が発揮され
た、政策メリットを最大限に活用しつつ企業間調整費用の最小化が図られたとい
う三つの特色が明らかとなった。加えて、その意図せざる結果としてモジュラー
化分業体制が構築されている。そしてその分業体制は進化し続けており、新竹内
の企業間インターフェース構造はそれによって製品、工程の双方でモジュラー・
インテグラルの両アーキテクチャーに対応することを可能にしている。この結果
として新竹は技術環境の変化や集積・分業不要説の中で常に分業・集積を維持・
拡大しつづけているのである。
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