GBRCニュース　　　2005.04.18

高橋伸夫教授(GBRC理事長)著の

　　　　　 『〈育てる経営〉の戦略』が出版されました

高橋伸夫教授(GBRC理事長)著の

『〈育てる経営〉の戦略−ポスト成果主義への道−』講談社(1,500円)

が出版されました。目次をご紹介すると

第1章　客観的評価の虚妄

第2章　貧困な発想

第3章　『虚妄の成果主義』が批判したもの

第4章　目的はモチベーション

第5章　人的資源は買えない

第6章　競争優位の源泉としての資源・能力蓄積過程

第7章　例解: 発明の対価

第8章　育てる経営

昨年ベストセラーになった『虚妄の成果主義』の続編かと思われるでしょうが、

高橋先生によれば、こちらの『〈育てる経営〉の戦略』の方が、先に執筆に着手

していたのだそうです。実は、この本はビジネス書ではなく「講談社選書メチ

エ」シリーズの中の1冊として書かれたもので、執筆を引き受けたのは5年位前に

なるとのこと。ご本人のコメントによれば

　一言で言えば、選書の執筆は難しい。私は遅筆な方ではないが、この本だけは

本当に時間がかかった。実際に書き始めると、経営学ほど「薀蓄を傾ける」とい

う言葉が似合わない学問はないと痛感した。何かそれらしきことをしようと思っ

たら、外国人の名前とカタカナだらけになる。なんとも薄っぺらで底が浅い。所

詮は輸入学問なのかと悲しくなってきた。2章ほど書いて放棄したこともある。

　あんまり書けないので、途中で現実逃避(?)して1ヶ月ちょっとで書き上げた

『虚妄の成果主義』(日経BP社)がベストセラー入りしてしまったりして、編集者

には本当に申し訳ないことをしてしまった。もっとも、そのおかげで講演やセミ

ナーで話す機会が増え、繰り返し繰り返しこの本の前半の4章のようなお話を話

しているうちに、ぼやーっとではあるが輸入学問ではない薀蓄のイメージが湧い

てきたので、その気になっているうちに、一気に原稿を書いて、なんとか出版ま

でこぎつけた。こうした執筆裏話については講談社の『本』(読書人向けの月刊

誌)にも書いたので、興味のある方はそちらもどうぞ。

ちなみに、この本は、人事労務のシステムに的を絞っていた『虚妄の成果主義』

と比べるとかなりテーマの幅が広く、第6章はリソース・ベースの戦略論(RBV)に

ついて、第7章は青色LED訴訟の控訴審に提出した意見書をもとにしてライセン

ス・ビジネスについて書かれていて、〈育てる経営〉について多角的に考えてみ

るには、いいきっかけになりそうです。

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