『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.4, No.5 発行!!
ダウンロード数ランキングも更新
『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.4, No.5が発行されました。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/index.html
目次と要約は下記の通りで、今月から、コンテンツ・シンポジウムの講演要旨の
連載と「解説」という形でネットワーク分析用ソフトウェアのマニュアルの掲載
を始めました。どちらも初めてのこころみです。今月はありませんが、研究会報
告は無料でダウンロードできます。
1. 〔連載:コンテンツ・ビジネスの未来〕pp. 175-192
第一回 コンテンツの海外展開の要諦
関根直樹「レコード産業の市場規模とJ-POPの海外マーケティング概況」
中村彰憲「中国オンラインゲーム隆盛に見る
ビジネス・アーキテクチャ形成に関する一考察」
我が国のコンテンツ産業が、今後さらに発展するためには、海外市場の開拓、
海外展開が不可欠である。優れたコンテンツを生みだし、それを国内のみならず
海外に向けて発信し、多くの収益を上げ、その資金をさらに優れたコンテンツの
創造に投入する、という好循環を実現しなければならない。
日本の魅力あるコンテンツが世界各国で受け入れられている事例は、現在でも
存在する。だが、海外市場も視野にいれたコンテンツの発信、大きな収益の獲
得、コンテンツ創造への投入、という循環が、多くの分野で、恒常的に実現して
いるとは言いがたい。したがって、現在よりも積極的に海外展開に取り組む必要
があろう。
そこで、今後の海外展開を考えるために参考となる、二つの論考を紹介する。
音楽産業と中国のオンラインゲーム産業を取り上げた論考から、各国、各地域の
実情を把握し、それに柔軟に対応した企業活動の重要性が示唆される。(序文と
要約:生稲史彦)
2. 木村 誠 pp. 193-226
「デジタルメディア展開のためのコンテンツサプライチェーン形成の研究
―保護パッケージ化の導入によるパイプラインとシンジケーション」
本研究は、企業間構造パターン(インテグラル化、モジュラー化)と企業間コ
ンテンツ配給パターン(パイプライン、シンジケーション)の組み合わせによる
コンテンツサプライチェーン形態の観点から、デジタル映像コンテンツの不正複
製・不正使用を事前防止する保護パッケージ化を導入したコンテンツ配給のため
の企業組織間分業体系について論じる。
キーワード:コンテンツ流通、コンテンツ保護技術、デジタルコンバージェン
ス
3. 安田雪 著 金坂秀雄 デザイン担当 pp. 227-260
「解説 ネットワーク分析用ソフトウェアUCINET(R)の使い方」
UCINET For Windows (R) (2002) は、ネットワーク分析を行うためのウィンド
ウズ用プログラムである。 ネットワーク分析のためのソフトウェアは、
STRUCTURE (Burt, 1990)、Negopy
(Richards, 1995) など、世界で多数が開発さ
れている。だが、UCINETは、使用が容易で機能的にも優れており、おそらくネッ
トワーク分析用ソフトウェアとしては世界的に普及しているものだろう。
UCINETは、ネットワーク分析の大家Steve Borgatti、Martin Everett、Linton
Freemanの三氏によって開発されている。2005年4月の時点では、Analytic
Technologies社のサイトにおいてVersion 6.85が公表されており、英語マニュア
ルなどが付随した試用版が無料でダウンロードできる。試用版とはいえ、ネット
ワークのノード数が最大で256まで分析できるので、初めての人でも十分楽しめ
る。
UCINETは主な機能として、(1) ネットワークデータの作成および変換機能、
(2) ネットワーク分析の様々な指標の算出機能、(3) ネットワーク仮説の検定機
能、(4) 多次元尺度構成法、クラスター分析などを含む分析機能を持っている。
また、大規模ネットワークの解析ソフトウェアPajek (「パエック」と読む)
と、ネットワーク描画のソフトウェアであるNetdraw などがUCINETの本体に組込
まれており、クリックひとつで各ソフトを起動させることができる。UCINETで作
成したデータは、それぞれのソフトで扱えるため、大変に便利である。
本連載においては、第I部として「ネットワーク分析用ソフトウェア
UCINET(R)の使い方」において、UCINETの起動・データ作成・分析・保存までの
一連の使い方と、分析機能の一部について使い方と出力の解説を行う(執筆者:
安田雪)。第II部の「ネットワーク視化の技法―Pajekの使い方」は、UCINETに
組み込まれている大規模ネットワークの解析ソフトウェア、Pajekの描画機能に
ついて解説を行う(執筆者:稲水伸行・竹嶋斎)。最後の第III部「ネットワー
ク可視可の技法―Netdrawの使い方」では、ネットワーク描画ソフトのための
Netdrawについての解説をする(執筆者:竹嶋斎・稲水伸行)。
読者のかたがたには、ぜひ三部をあわせてご活用いただき、ネットワーク分析
のおもしろさ、関係構造の可視化の説明力を楽しんでいただければ幸いである。
なお、本連載で展開するソフトウェアの解説は、各ソフトウェアが持つ機能のご
く一部にすぎない。ご好評を賜れれば、続編の執筆も検討したいと思っている。
また『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)のダウンロード数ランキングも更
新しました。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/rank.html
このうち、有料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングの部分をご紹介し
ます。ライブ感を出すために、ニューズレターの読者のため特別に、( )内に先
月(2005年4月25日現在)のランキングと1ヶ月間のダウンロード数も入れてみまし
た。
1 (1→) 高橋伸夫 「論説:日本型年功制の再評価」 518 (+25)
2 (2→) 高橋伸夫 「連載:英文論文のススメ」 433 (+29)
3 (3→) 藤本隆宏 「連載:Field-Based Research
Methods」 404 (+17)
4 (4→) 高橋伸夫・新宅純二郎 「Resource-Based Viewの形成」
342 (+20)
5 (5→) 高橋伸夫 「連載:ぬるま湯的体質の研究が出来るまで」 340 (+23)
6 (6→) 高橋伸夫 「ペンローズ『会社成長の理論』を読む」 319 (+22)
7 (7→) 森 摂 「潮流2003 第五回 2006年問題の衝撃(下)」 301
(+7)
8 (8→) 藤本隆宏 「新製品開発組織と競争力」 268 (+12)
9 (9→) 阿部 誠 「連載:消費者行動のメカニズムを探る」 247 (+10)
10(10→) 森 摂 「潮流2003 第四回 2006年問題の衝撃(上)」 226
(+4)
無料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングもご紹介しましょう。
1 (1→) 藤本隆宏 「生産システムの進化論」 929 (+74)
2 (2→) 小川紘一 「光ディスク産業のビジネス・アーキテクチャとその変遷」
879 (+69)
3 (3→) g新部 裕 「フリーソフトウェア活動と国際協力」 818 (+14)
4 (4→) 原田信行 「日本におけるコンテンツ産業の可能性」 766 (+29)
5 (6↑) 田中辰雄 「携帯電話産業におけるネットワーク外部性の実証」
715 (+31)
6 (5↓) 林 隆一 「電子部品企業のビジネスモデル」 713 (+25)
7 (7→) 松原義継 「あるビデオゲームの開発事例」 712 (+28)
8 (8→) 椙山泰生・太田原準「中国企業の競争力と製品アーキテクチャ」
672 (+30)
9 (9→)枷場博文 「境界と限界を超えるコミュニティ・イノベーション」
620 (+21)
9(10↑) 金光 淳 「社会ネットワーク分析パッケージSociometorica」
620 (+23)
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