『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.4, No.7 発行!!
ダウンロード数ランキングも更新
『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.4, No.7が発行されました。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/index.html
今回、このウェッブの目次ページのフォントを大きくしました。さらに、ブラウザの「表示」→「文字のサイズ」で「大」以上を選んでいただければ、どの文字も大きくなります。一度お試しください。
目次と要約は下記の通りですが、先々月から、コンテンツ・シンポジウムの講演要旨の連載と「解説」という形でネットワーク分析用ソフトウェアのマニュアルの掲載を始めました。研究会報告は無料でダウンロードできます。
1. 〔連載:コンテンツ・ビジネスの未来〕 pp.
323-342
第三回 コンテンツ産業論の現在
武石 彰 「音楽産業と技術革新:大規模技術システムとしての進化」
小橋 麗香 「日本の家庭用ゲームソフト会社のソフト開発プロセスと
人材マネジメント」
岡田 美弥子「マンガビジネスの成長要因」
前回までの連載では、コンテンツ産業を実際にてがけている方から、ビジネスの現場における現状や問題点を取り上げてきた。第三回は、研究者の立場から、コンテンツ産業に対してどのような研究成果をあげられてきたか、また今後どのような研究アプローチをとるべきか、といった点について論じていく。経済学、経営学の研究者にとって、研究対象として一般的だった製造業とは異なるコンテンツ産業に取り組む場合、いきなりアプローチまで新しくすることは有益ではない。新しい対象に既存のアプローチや研究蓄積を利用しながら取り組み、その中から共通性や異質性を解明していくことが研究の発展につながる。
コンテンツ産業に対する本格的な研究は、まだ非常に少ない。その中から、三つの研究報告を取り上げた。第一の武石論文では、音楽を対象にして、ラジオからネット配信に至る長い発展の歴史を、大規模システムのイノベーションというアプローチをベースにして解明している。第二の小橋論文は、ゲームソフトを対象にして、製品開発研究としてアプローチしている。最後の岡田論文は、マンガを対象にして、事業戦略論からアプローチしている。対象もアプローチも異なる3論文だが、いずれもそれぞれの分野で先導的な研究であり、今後の研究方向に多大な示唆を与えてくれるものである。(要約:新宅純二郎)
2. 桑嶋 健一 pp.
343-364
〔連載:ケース研究 機能性化学品の製品開発 第一回〕
「液晶用光学補償フィルムの製品開発とビジネスモデル
―富士写真フイルム「ワイドビュー・フィルム」―」
本稿では、機能性化学品における製品開発の成功事例のひとつとして、富士写真フイルムの液晶用光学補償フィルム「ワイドビュー・フィルム」を取り上げ、その製品開発マネジメントについて検討する。事例分析より、製品開発プロセスにおいては、「顧客の顧客」への直接アプローチによる的確なニーズ情報収集が重要だったこと、さらに、製品開発成功後に、「単一商品戦略」「製品開発情報提供の前倒し」といった
“仕掛け” や “ビジネスモデル” を戦略的に構築・実施したことが、事業としての成功につながったことなどが明らかにされる。
キーワード:製品開発、機能性化学品、“顧客の顧客” 戦略
3. 竹嶋 斎・稲水 伸行 pp.
365-386
「解説 ネットワーク可視化の技法―NetDrawの使い方」
連載「ネットワーク分析と可視化の技法」の第三部である「ネットワーク可視化の技法―NetDrawの使い方」では、UCINETに組み込まれているネットワーク描画ソフトウェア、NetDrawの解説を行う。
NetDrawは、Steve Borgatti氏によって作成された、ネットワークの描画に特化したフリーソフトである。第二部で紹介したPajekと異なり、NetDrawではネットワーク分析の指標を計算することはできない。しかし、ドット単位でのノードの位置調整やフルカラー1677万色に対応した色表示などが行え、Pajekよりも豊富な描画機能を有しているといえる。特に、図を平易なルールで書かれたプログラムファイルとして保存できる機能は秀逸である。「VNAファイル」と呼ばれているこのファイルはテキストエディターで開くことができる。そのため、WEBサイトに用いられているHTMLファイルのように、ビジュアル的な編集をテキストベースで行えるのである。
本解説は3-1から3-10までの10項目で構成されている。前半の3-1から3-5では、NetDrawの基本的な操作法を簡潔に解説する。後半の3-6から3-10では、VNAファイルと図の関連性を紹介しつつ、テキストベースで見やすく美しい図を作成する方法を説明していく。
本解説では、ネットワーク分析の指標などにはふれず、ネットワークの描画だけに焦点を絞って解説しているが、本解説がネットワーク可視化の技法習得の入り口になれば幸いである。
4. コンピュータ産業研究会 pp.
387-398
神野 新「情報通信産業で進行中の世紀の構造変革
―“地上最大の企業” AT&Tの崩壊を中心とした考察―」
現在、世界のIT情報通信産業においては、@
アナログからデジタル/IP化への移行、A ブロードバンドとワイヤレスによる代替を受けた固定通信市場の急速な融解、B 固定通信と移動通信の融合、及び、通信と放送の融合など、「100年に一度」級の大変革が生じているが、そのようなメガトレンドに対して、各事業者がどのような戦略を展開してきたのか、また、適応に失敗した事業者の事例として、AT&T買収による同社の消滅を取り上げ、世紀の大変革期の中で戦略転換を模索する事業者の実態を紹介する。
キーワード:情報通信産業、戦略転換、AT&T
また『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)のダウンロード数ランキングも更新しました。
http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/rank.html
このうち、有料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングの部分をご紹介します。ライブ感を出すために、ニューズレターの読者のため特別に、( )内に先月(2005年5月25日現在)のランキングと1ヶ月間のダウンロード数も入れてみました。
1 (1→) 高橋伸夫 「論説:日本型年功制の再評価」
546 (+14)
2 (2→) 高橋伸夫 「連載:英文論文のススメ」
465 (+16)
3 (3→) 藤本隆宏 「連載:Field-Based
Research Methods」 444 (+18)
4 (5→) 高橋伸夫 「連載:ぬるま湯的体質の研究が出来るまで」
377 (+18)
5 (4→) 高橋伸夫・新宅純二郎 「Resource-Based
Viewの形成」 368 (+10)
6 (6→) 高橋伸夫 「ペンローズ『会社成長の理論』を読む」
328 (+16)
7 (7→) 森 摂 「潮流2003
第五回 2006年問題の衝撃(下)」 305 (+3)
8 (8→) 藤本隆宏 「新製品開発組織と競争力」
293 (+13)
9 (9→) 阿部 誠 「連載:消費者行動のメカニズムを探る」
262 (+12)
10(10→) 森 摂 「潮流2003
第四回 2006年問題の衝撃(上)」 230 (+3)
無料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングもご紹介しましょう。今回、MMRCの特任研究員でもある小川氏の論文がトップに躍り出ましたが、藤本先生の論文も含め、上位2本はダウンロード数が1,000を超えました。
1 (2↑) 小川紘一 「光ディスク産業のビジネス・アーキテクチャとその変遷」
1011
(+82)
2 (1↓) 藤本隆宏 「生産システムの進化論」
1007 (+44)
3 (3→) g新部 裕 「フリーソフトウェア活動と国際協力」
838 (+9)
4 (4→) 原田信行 「日本におけるコンテンツ産業の可能性」
797 (+11)
5 (6→) 林 隆一 「電子部品企業のビジネスモデル」
751 (+18)
6 (5→) 田中辰雄 「携帯電話産業におけるネットワーク外部性の実証」
743
(+15)
7 (7→) 松原義継 「あるビデオゲームの開発事例」
730 (+7)
8 (8→) 椙山泰生・太田原準「中国企業の競争力と製品アーキテクチャ」
706
(+15)
9 (9→) 金光 淳 「社会ネットワーク分析パッケージSociometorica」
639
(+43)
10(10→)枷場博文 「境界と限界を超えるコミュニティ・イノベーション」
651
(+20)
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