GBRCニュース   2006.07.31

---

『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.5, No.7 発行!!

     ダウンロード数ランキングも更新

 

『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.5, No.7が発行されました。

http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/index.html

目次と要約は下記の通りです。研究会報告は無料でダウンロードできます。「も

のづくりコラム」「ものづくりアジア紀行」も無料コンテンツです。

 

1. 大鹿 隆 pp.449-450

「ものづくりコラム 第四回 グローバルSCMと日本自動車企業のアジア生産」

 

2. 善本哲夫 pp.451-460

「ものづくりアジア紀行 第五回 まだまだ遙かなるインド」

 

3. 藤本隆宏 pp. 461-482

「自動車製品開発のプロセスと組織―1980年代における国際比較分析―

 1章 開発プロセスと組織構造」

 

 本稿は、各社へのインタビューとアンケートを通じて直接収集したデータに基

づいて、1980年代後半の日米欧主要自動車メーカーの製品開発プロセスおよび開

発組織の実態を明らかにする。

 本章(1章)では基礎概念となる情報処理システムとしての製品開発プロセス

を概観し、日米欧の自動車メーカーを対象とした調査に基づき、製品開発におけ

る情報処理を円滑化させる組織構造、および製品開発プロジェクトにおける部門

間の調整機能を担うプロダクト・マネジャーの役割を明らかにする。製品開発は

技術の商品化、および製品の量産化に必要とされる情報資産を創出するプロセス

であり、ほとんどの自動車メーカーが製品開発において部門間統合メカニズムを

活用し、情報処理の促進を図っていた。しかしプロダクト・マネジャーの機能

は、特定の開発段階に限定されるケースとプロジェクト全体に及ぶケースが混在

し、開発の効率性を左右する要因と考えられる。

  キーワード:情報処理システム、組織構造、プロダクト・マネジャー

 

4. アジア自動車産業研究会 pp.483-500

 小林浩治

「トルコの自動車産業とトヨタの事業進出」

 

  トヨタの海外工場の中で、3T(Thailand、Taiwan、Turkey)の工場レベルのパ

フォーマンスは最も高い。このような3Tのケースは学術的には大変参考になり、

価値がある。通常の仮説では、本社は大きな市場に大規模な工場を直接投資する

傾向がある。結果として、その工場は強くなると考えられる。しかし、この3Tは

完全にこの仮説を覆す。結論から言うと、この3Tは厳しい環境の中で苦難に耐

え、長く一所懸命をやり続けることによって能力を構築し、強い競争力を発揮し

続けていると言えよう。本発表ではトヨタがトルコに事業進出する経緯、そして

どのように競争力をつけてきたかを説明する。

 

5. コンピュータ産業研究会 pp.501-512

 福澤光啓・立本博文・新宅純二郎

「ファームウェア・アーキテクチャの揺れ動きとその要因

 ―デジタル複合機の事例―」

 

  近年、情報家電や携帯機器などをはじめとした多くの製品分野において、半導

体チップとして組み込まれたMPUとソフトウェア(ファームウェア)の重要性が

高まっている。機械製品の代表であった自動車ですら、MPUとソフトからなる電

子コントロールユニットがいまや100程度も搭載されている。そのようなファー

ムウェアが、製品の高機能化、耐久性向上、多機能化、低コスト化に果たす役割

は大きく、日本の電子製品、機械製品の競争力を支える重要な要素となってい

る。しかし、その役割が増大するにともなって、ファームウェアの大規模化や複

雑化が進んでおり、開発コスト増大、開発リードタイム長期化、製品不具合の頻

発といった深刻な問題も起こしている。そのような状況の中で、多様な機能をつ

かさどる一群のファームウェアをどのようなアーキテクチャで設計するかが、製

品開発の重要なテーマとなっている。機能の増加に対して追加的・場当たり的な

対応では、全体としての製品機能を達成できず、様々な問題が生じる。本報告で

は、デジタル複合機におけるファームウェア・アーキテクチャの変遷についての

事例を取り上げて考察する。

  キーワード:ファームウェア、MPU、ファームウェア・アーキテクチャ

 

また『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)のダウンロード数ランキングも更

新しました。

http://www.gbrc.jp/GBRC.files/journal/amr/rank.html

このうち、有料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングの部分をご紹介し

ます。ライブ感を出すために、ニューズレターの読者のため特別に、( )内に先

月のランキングと1ヶ月間のダウンロード数も入れてみました。

 

1 (1→) 高橋伸夫 「論説:日本型年功制の再評価」 732 (+12)

2 (2→) 高橋伸夫 「連載:英文論文のススメ」 636 (+14)

3 (3→) 藤本隆宏 「連載:Field-Based Research Methods」 563 (+20)

4 (4→) 高橋伸夫・新宅純二郎 「Resource-Based Viewの形成」 538 (+16)

5 (5→) 高橋伸夫 「連載:ぬるま湯的体質の研究が出来るまで」 503 (+5)

6 (7↑) 安田 雪 「ネットワーク分析用ソフトウェアUCINET(R)の使い方」

    500 (+29)

7 (6↓) 高橋伸夫 「ペンローズ『会社成長の理論』を読む」 490 (+9)

8 (8→) 藤本隆宏 「新製品開発組織と競争力」 425 (+10)

9 (9→) 阿部 誠 「連載:消費者行動のメカニズムを探る」 357 (+6)

10(10→)森 摂 「潮流2003 第五回 2006年問題の衝撃(下)」 338 (+3)

 

無料コンテンツ・ダウンロード数(累計)ランキングもご紹介します。圏外からい

きなり第6位に下川浩一先生のアジア自動車産業研究会報告が初登場です。1ヶ月

間になんと219件もダウンロードがあったそうです。

 

1 (1→) 小川紘一 「光ディスク産業のビジネス・アーキテクチャとその変遷」

    1421 (+31)

2 (2→) 藤本隆宏 「生産システムの進化論」 1359 (+40)

3 (3→) g新部 裕 「フリーソフトウェア活動と国際協力」 1093 (+22)

4 (4→) 林 隆一 「電子部品企業のビジネスモデル」 1005 (+22)

5 (5→) 原田信行 「日本におけるコンテンツ産業の可能性」 988 (+13)

6 (-↑) 下川浩一 「グローバル時代を迎えて激変しつつあるタイ自動車産業の

    現状と展望」 986 (+219)

7 (6↓) 金光 淳  「社会ネットワーク分析パッケージSociometorica

    982 (+20)

8 (8→) 椙山泰生・太田原準「中国企業の競争力と製品アーキテクチャ」

    943 (+29)

9 (7↓) 枷場博文 「境界と限界を超えるコミュニティ・イノベーション」

    937 (+22)

10(9↓) 田中辰雄 「携帯電話産業におけるネットワーク外部性の実証」

    926 (+21)

---

特定非営利活動法人グローバルビジネスリサーチセンター(GBRC)

 住所 〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学産学連携プラザ5階

 電話 03-5841-2272  Fax 03-5841-2275

 E-mail info@gbrc.jp

 【丸の内オフィス】 丸の内ビルディング9階 (丸の内アカデミック・スイーツ内)