GBRCニュース   2012.10.01

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今週のABAS新刊

 
 
今週は、新生ABASの誕生を記念して、一気に3本の論文をリリースいたします。
開設した「ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
 
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Takahashi, N., & Inamizu, N. (2012). Mysteries of NIH syndrome.
Annals of Business Administrative Science, 11, 1-10.
doi: 10.7880/abas.11.1 (予定).
 
Katz & Allen (1982)NIH症候群を検証した論文として引用されることが多い
が、実際には、1)何の傾向も見られない散布図への安易な平滑化法の適用、2
恣意的な切片値の設定、によって導出されたものだったという問題点があり、検
証されたとは言い難い。しかし、一番のミステリーは、NIH症候群は通常「自前主
義」のことを指すと考えられているが、実は、Katz & Allen (1982)では、プロ
ジェクト・メンバーの在職年数の長期化によって引き起こされるパフォーマンス
の低下のことを指していたということである。にもかかわらず、多くの研究者が
自前主義を唱えた原論文だとして引用し続けているのは不思議である。
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Kuwashima, K. (2012). Product development research cycle:
A historical review 1960s-1980s.
Annals of Business Administrative Science, 11, 11-23.
doi: 10.7880/abas.11.11 (予定).
 
新製品開発の実証研究は、体系的な研究がスタートした1960年代には成功プロ
ジェクトのプロフィールを包括的に分析し、普遍的な成功要因を明らかにする
「グランド・アプローチ」だった。1970年代には製品開発の特定の側面(テー
マ)に焦点を絞って分析する「フォーカス・アプローチ」が台頭し、さらに1980
年代後半には製品開発のプロセスに焦点をあて、そこでのマネジメントとパ
フォーマンスとの関係を詳細に分析する「プロセス・アプローチ」が現れた。こ
のように、ほぼ10年サイクルで新たな研究アプローチが台頭し主流が変わる点が
新製品開発研究の特徴である。
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Fujimoto, T. (2012). Evolution theory of production systems.
Annals of Business Administrative Science, 11, 25-44.
doi: 10.7880/abas.11.25 (予定).
 
「生産システムの形成プロセス」の分析を通じて、トヨタの強さ(長期間にわた
る高パフォーマンス維持)の源泉を明らかにする。 既存研究では、「トヨタシス
テム/トヨタ生産方式の仕組み」の研究、「トヨタの歴史」の研究は多かった
が、両者を結びつけた研究は少なかった。それに対して本稿では、両者を結びつ
け、さらに近年経営学で注目されている「製品アーキテクチャ」の視点を踏まえ
て分析することにより、従来から指摘されてきた「もの造り能力」「改善能力」
に加えて、「進化能力」の3階層の組織能力を想定することで、はじめて、トヨ
タの強さの“真の源泉”を説明できることを示す。

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