今週のABAS新刊
Akiike, A. (2013).
Where is Abernathy and Utterback Model?
Akiike, A. (2013).
Where is Abernathy and Utterback Model?
Annals of Business Administrative Science, 12, 225-236.
doi: 10.7880/abas.12.225 (forthcoming).
Download (Available online June 23, 2013)
Abernathy-Utterback model(A-U model)はイノベーション研究に大きな影響を
与えており、多くの論者が取り上げている。その多くはAbernathy and Utterback
(1978)を引用しているが、Abernathy and Utterback(1978)では、ドミナン
ト・デザイン(dominant design)のアイデアがモデルに明示されておらず、我々
がイメージしているA-U modelとは異なる。多くの論者が取り上げるA-U model
は、実は、Utterback and Abernathy (1975)、Abernathy and Utterback
(1978)、Abernathy (1978)という3つの主要な業績を経て段階的に積み上げられて
形成されてきたものであり、Abernathy(1978)で完成し、それが我々がイメージ
するA-U modelとなっているのである。しかしながら、A-U model が普及する過程
で大きな影響力を持ったTeece(1986)やUtterback(1994)が、その完成形のA-U
model をAbernathy and Utterback(1978)のモデルとして引用して取り上げたた
め、それが孫引きされ、A-U model= Abernathy and Utterback(1978)のモデル
であると誤って流布してしまった。そもそも、Abernathy and Utterback(1978)
の論文は、タイトル・ページ(p.41)より前のページ(p.40)にA-U modelの図が本文
とは独立に登場するという不思議な構造をしており、その図について、本文中
(pp.41-47)には説明がなく、言及もされていないのだが、そのことを知らない
で引用している研究者も多いのである。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、
全文ダウンロード可能です。
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