『赤門マネジメント・レビュー』 Vol.12, No.8 発行!!
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http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
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Itohisa, M. (2013).
Overlapping and frontloading:
Seeking an effective product development process.
Annals of Business Administrative Science, 12, 291-309.
doi: 10.7880/abas.12.291 (forthcoming).
Download (Available online September 1, 2013)
本稿の目的は、オーバーラップ型製品開発プロセスにおいて、製品開発パフォー
マンスが向上するメカニズムとその条件を明らかにすることである。 (1)製品設
計(上流)と(2)量産準備(下流)のプロセスは、相互依存関係にあるが、X社におけ
る事例分析の結果から、製品Aの場合、(1)で、製品機能のノイズに対するロバス
トネス(頑健性)は十分に確保されておらず、(2)のその後の作業もやり直しの連
続で、形式的にオーバーラップしていても製品開発リードタイムの短縮につなが
らなかった。ところが製品Bの場合、より多くの工数はかかるが、(1)に品質工学
を導入し、とりあえずの情報のロバストネスを確保したことで、(2)の金型設計
者は、量産手配前から積極的にとりあえずの情報を活用して、流動解析 など
「金型の事前検討」を行うことができるようになった。それに加え、金型設計者
は製品設計者のところに赴き、製造性に関する問題点を指摘するこ とで、量産
手配前にdesign for manufacturingが実現できるようになった。このように、と
りあえずの情報のやりとりだけではなく、実際に(2)量産準備を始められるよう
なフロントローディングを(1)製品設計で行うことが、実質的なオーバーラップ
を可能にする条件であり、その条件を満たしたときに、(2)での製造性 確保のた
めのやり直しの回数も大幅に減らすことができ、量産準備のパフォーマンスは大
幅に向上し、全体のリードタイムも短縮できたのである。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
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かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
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