今週のABAS新刊
Mizuno, Y. (2013).
Make provision for future growth
under adverse circumstances.
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。
「ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
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Mizuno, Y. (2013).
Make provision for future growth under adverse circumstances.
Annals of Business Administrative Science, 12, 311-326.
doi: 10.7880/abas.12.311 (forthcoming).
Download (Available online September 15, 2013)
景気は企業業績に影響を与える。景気後退による企業業績悪化は不可抗力であ
り、一般的には、投資を抑制したり、人員を整理したりといった企業行動が選択
される。しかし、協立電機の事例では、業績悪化の中で、その後の同社の中核と
なる戦略の方向性を意思決定し、好機と判断した人材、設備、M&Aなどに対して
積極的な投資が行なわれた。これらが、次の景気回復期において中核技術の業界
転用・周辺領域展開・海外展開や組織の成長に結びついた。しかも、同社は、業
績低迷期が訪れる前に、顧客シーズの探索活動や技術転用できる業界の模索、資
金の内部留保・調達方法の確保、社内組織体制の整備、縦割り組織の解消、権限
委譲などを進めていた。その状況に耐えうる「備え」(provision)として、組織
づくりを先に行なっていたのである。Chandler (1962)は好況期の成長戦略の後
に組織づくりの時期が来るとして “structure follows strategy” と唱えた
が、同社は、Chandlerの主張とは逆の行動パターンを選択することで、景気後退
を成長のターニングポイントに変えていたのである。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、
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