GBRCニュース   2013.09.16

---

今週のABAS新刊

 Mizuno, Y. (2013).

   Make provision for future growth under adverse circumstances.

 
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。 
ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。 
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/ 
 
------------------------------------------------------------------------ 
Mizuno, Y. (2013). 
Make provision for future growth under adverse circumstances. 
Annals of Business Administrative Science, 12, 311-326. 
doi: 10.7880/abas.12.311 (forthcoming). 
Download (Available online September 15, 2013) 
 
景気は企業業績に影響を与える。景気後退による企業業績悪化は不可抗力であ 
り、一般的には、投資を抑制したり、人員を整理したりといった企業行動が選択 
される。しかし、協立電機の事例では、業績悪化の中で、その後の同社の中核と 
なる戦略の方向性を意思決定し、好機と判断した人材、設備、M&Aなどに対して 
積極的な投資が行なわれた。これらが、次の景気回復期において中核技術の業界 
転用・周辺領域展開・海外展開や組織の成長に結びついた。しかも、同社は、業 
績低迷期が訪れる前に、顧客シーズの探索活動や技術転用できる業界の模索、資 
金の内部留保・調達方法の確保、社内組織体制の整備、縦割り組織の解消、権限 
委譲などを進めていた。その状況に耐えうる「備え」(provision)として、組織 
づくりを先に行なっていたのである。Chandler (1962)は好況期の成長戦略の後 
に組織づくりの時期が来るとして “structure follows strategy” と唱えた 
が、同社は、Chandlerの主張とは逆の行動パターンを選択することで、景気後退 
を成長のターニングポイントに変えていたのである。 
------------------------------------------------------------------------ 
 
とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では 
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論 
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない 
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。 
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html 
 
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース 
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト 
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。 
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/ 
 
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき 
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、 
全文ダウンロード可能です。

---

特定非営利活動法人グローバルビジネスリサーチセンター(GBRC)

 電話 03-5208-4272  Fax 03-5208-4273

 E-mail info@gbrc.jp