今週のABAS新刊
Kim, H. (2013).
Inpatriation: A review of three research streams.
Kim, H. (2013). Inpatriation: A review of three research streams.
Annals of Business Administrative Science, 12, 327-343.
doi: 10.7880/abas.12.327 (forthcoming).
Download (Available online September 29, 2013)
本国親会社の人材を海外に派遣する海外派遣についての研究は多いが、本稿で
は、海外子会社で採用した人材を本国親会社に出向させる逆駐在に関する 既存
研究をレビューする。逆駐在員は、その立場、強み、役割などの面で海外派遣員
とは明らかに異なる。逆駐在は、(1) 1980年代後半から日本企業におけるヒトの
現地化のツールとして実態調査が行なわれるようになった。(2) 1990年代後半か
らは欧米企業における新興国市場対応策としての研究が始まり、Harveyの研究グ
ループは逆駐在の必要性と逆駐在員が本社内で直面す る問題のマネジメントに
ついて、Collingsの研究グループは戦略的なglobal staffingの重要性と逆駐在
の発生要件について議論を展開した。(3) 2000年代に入ると、多国籍企業におけ
る知識移転のメディアとして、Reicheの研究グループは逆駐在員が果たす知識移
転とその促進要因について議論 を展開する。ヒトの現地化といったコンテキス
トで80年代から議論されてきた逆駐在制度は、いまや新興国市場における市場知
識の獲得・移転に悩む 多くの日本企業にとって新しい解決策になるかもしれな
い。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、
全文ダウンロード可能です。
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