今週のABAS新刊
Fujita, H., & Ikuine, F. (2014).
Open source, a phenomenon of generation changes in
software development: The case of Denshin 8 go.
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。
「ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
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Fujita, H., & Ikuine, F. (2014).
Open source, a phenomenon of generation changes in software development:
The case of Denshin 8 go.
Annals of Business Administrative Science, 13, 1-15.
doi: 10.7880/abas.13.1 (forthcoming).
Download (Available online October 13, 2013)
ソフトウェア開発の成功とは、単に「ある人物」「ある開発チーム」が開発に成
功することではなく、開発者のあいだでスムーズに「世代交代」が行なわれて、
一つのソフトウェアが長期にわたって次々とバージョンアップされていくことで
ある。その時、世代の異なる開発者たちはソースコードを共有することになる。
そのプロセスを、日本のフリーウェアの「電信八号」を事例として取り上げて分
析してみよう。電信八号は、当初、原作者一人によってクローズドソースで開発
され、頻繁なバージョンアップを媒介にして、ユーザを動機づけることに成功し
ていた。やがてバージョンアップが滞りがちになると、それでも電信八号を使い
続け、よりよくしたいという熱意を示し続けたユーザグループに対して、原作者
はソースコードを公開し、今度はソースコードを継承したユーザグループが開発
を継続する。この事例のように、ソフトウェア開発が成功し、開発者の世代交代
が一つの会社の中にとどまらずに起きた場合には、「オープンソース」と呼ばれ
る現象が現れる。しかし、その逆は真ではない。つまりオープンソースになって
も、開発が成功するとは限らない。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、
全文ダウンロード可能です。
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