GBRCニュース   2014.07.21

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今週のABAS新刊
 Ikuine, F., & Fujita, H. (2014).
  How to avoid fork: The guardians of Denshin 8 go.
 
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。
ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
 
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Ikuine, F., & Fujita, H. (2014).
How to avoid fork: The guardians of Denshin 8 go.
Annals of Business Administrative Science, 13, 283-298.
doi: 10.7880/abas.13.283 (forthcoming).
Download (Available online July 20, 2014)
 
ソフトウェアについては、「今後もたえず開発を続けていく」という保証が最良
の品質保証である。開発の継続のためには、原作者が開発を継続するか、あるい
は開発者の世代交代が必要になる。世代交代のために、原作者がソースコードを
公開する「オープンソース」と呼ばれる手法が採用されると、動機づけられた、
開発能力が高い人々が、開発プロジェクトに参加する可能性が高まることはこれ
までも指摘されてきた。そのため、プロジェクトの存続は容易になる。だが同時
に、ソースコードを広く公開してしまえば、ソースコードの分岐の可能性も高め
てしまう。ソースコードが分岐すると、高い能力と高い意欲をもつ人々が分散
し、結果として、プロジェクトの存続が難しくなる。電信八号の事例では、ソー
スコード公開に際して、ソースコードの正統な守護者を決めることで、このジレ
ンマを回避していた。オープンソースの代表例であるGNUプロジェクトとLinux
も、それぞれ Richard StallmanLinus Torvaldsが正統な守護者として分岐
(fork)を回避していたと考えられる。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
 
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
 
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)にも逐次収録されて、
全文ダウンロード可能です。

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