GBRCニュース   2014.12.08

---

今週のABAS新刊
 Takahashi, N. (2015). Where is bounded rationality from?
 
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。
ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
------------------------------------------------------------------------
Takahashi, N. (2015). Where is bounded rationality from?
Annals of Business Administrative Science, 14, 66-81.
doi: 10.7880/abas.14.66(forthcoming).
Download (Available online December 7, 2014)
 
Simonといえば、すぐに想起させるほどに重要な「限定された合理性」である
が、実は、『経営行動』の元の本文には、用語として一度も登場しない。にもか
かわらず、ノーベル経済学賞受賞の2年前1976年に出版された第3版の索引では、
rationality” の項目の子項目として “bounded rationality” が3箇所で索
引をつけられている。そこに書かれていることをつなぎ合わせると、(1)それ
は、個人の合理性の制約によってboundされている。(2)それは、ゲーム理論で仮
定されているように「すべての代替案」と「それらのすべての結果」を知って
「所与の価値」を最大化することはできない。(3)それに、その所与の状況の見
地から合理的である行動はグループの見地からも合理的という意思決定の環境を
与えることで、組織が補う。そこに垣間見える合理性は、ゲーム理論との違いを
強調すれば、“bounded rationality”ということになるのだろうが、しかし、
それにぴったり当てはまる概念はBarnardの「限定されてはいるが重要な選択
力」である。
------------------------------------------------------------------------
とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
 
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
 
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用でき
る世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)ProQuest (有料)にも
逐次収録されて、全文ダウンロード可能です。

---

特定非営利活動法人グローバルビジネスリサーチセンター(GBRC)

 電話 050-3825-0915

 E-mail info@gbrc.jp