今週のABAS新刊
Iwao, S. (2015).
Organizational routine and coordinated imitation.
新生ABASは、隔週刊で論文をリリースしています。
「ABASの日本語サイト」からダウンロード可能です。
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
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Iwao, S. (2015).
Organizational routine and coordinated imitation.
Annals of Business Administrative Science, 14, 279-291.
doi: 10.7880/abas.14.279 (forthcoming).
Download (Available online August 2, 2015)
組織ルーチンという用語は経営学者等の組織論研究者の間で広く使われている。
その源流の一つがNelson and Winter(1982)であることは頻繁に指摘される
が、同じ用語を使っていても、NelsonとWinterは進化経済学の単なるパーツとし
て組織ルーチンを使っており、経営学で使用される組織ルーチンの定義と概念的
に大きな違いがある。たとえば、(a)一つの企業は一つの組織ルーチンをも
ち、(b)確率的な突然変異とその後の自然淘汰で組織ルーチンが変化し、(c)
他の組織が持つ組織ルーチンは容易に自らの組織に移植できると考えられてい
る。ところが、経営学的な視点で実際の企業を観察すると(a)一つの企業は多
くの組織ルーチンをモザイク状に組み合わせて持っており、(b)意図的に組織
ルーチンの創造・模倣・選択が行われ、(c)移植には調整コストが発生して容
易ではない。組織ルーチン論の新たな枠組みとして近年注目されつつある
Routine Dynamicsでも(c)の調整の必要性はあまり重要視されない傾向がある
が、実際の組織ルーチンの変化を論じるには調整の観点が重要であることを、自
動車製造業Company A がトヨタの生産手法を取り入れて失敗した事例から説明す
る。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。なお、お気づきではない
かもしれませんが、英語版のサイトもあります。
http://www.gbrc.jp/journal/abas/index.html
ABASに掲載された論文の最終バージョンは、DOIを付与して2ヶ月に1号のペース
でまとめて、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイト
J-STAGEに登載され、Google Scholarにもデータが提供されます。
http://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
またABAS掲載論文は、学術雑誌論文を中心とした学術情報を検索して利用できる
世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、ProQuest (有料)にも逐
次収録されて、全文ダウンロード可能です。
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