GBRCニュース   2017.01.02

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『赤門マネジメント・レビュー』Vol.15, No.12 発行!!
 
■AMRのツイッターアカウント http://twitter.com/akamonmr
 
予定通り、1225日に
『赤門マネジメント・レビュー』(AMR) Vol.15, No.12が発行されました。
http://www.gbrc.jp/journal/amr/index.html
巻頭の論文は10万字超えの大作です。
 
目次と要約は下記の通りです。すべて無料コンテンツです。
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<査読つき研究ノート(オープンアクセス)>
岸本千佳司
「台湾IC設計業における競争戦略と主要企業の盛衰」
pp. 569-646
 
本研究は、台湾のIC (半導体集積回路) 産業の中でも特に設計業 (ファブレ
ス) に焦点をあて、その発展動向と基本的な競争戦略、および主要企業の盛衰
とそれを左右する要因について分析する。まず、台湾ICファブレスの競争戦略
の様々な構成要素、すなわち、垂直分業・ファブレス化と二番手戦略、および
そこから派生する (あるいは、それとセットになっている) 台湾企業の強み・
特徴 (標準品志向、製品開発プロセスにおける顧客との密接な協調、トータル・
ソリューション、選択と集中など) について踏み込んだ分析を行う。こうした
競争戦略の各構成要素がどのように関わりどのような競争優位に繋がっている
かを出来るだけ体系的に分かり易く示すために、楠木 2010)『ストーリーと
しての競争戦略』が提唱する競争戦略ストーリーを描き出す手法を採用する。
また、台湾の特徴を浮き上がらせるために、近年凋落していると言われる日本半
導体企業の戦略 (不全) ストーリーを提示し対比させる。分析の結果、台湾
ファブレスの戦略ストーリーは、相対的に楠木の言う「筋の良いストーリー」の
イメージに近く、他方、日本半導体企業のそれは、むしろ戦略不全に陥るストー
リー展開の可能性が多く見られることを示す。次に、同じ台湾ファブレスでも企
業ごとに戦略や成長性が異なっていることに鑑みて、台湾の主要ファブレス10
社の事例分析を行う。上述の台湾ファブレス主要企業一般を念頭に置いた戦略
ストーリーでは捉えきれない企業ごとの違いにも注目し、その盛衰を左右する
要因を分析する。その結果、その時代ごとの主流である応用製品市場を上手く
捉えられたかどうか、コア技術を技術シナジーを活かしながら複数の応用分野
に巧く展開できたかどうか、単なる「me too」ではなく製品技術・マーケティ
ングで独自の優位性を持っていたかどうか、などが成功要因として指摘される。
 
キーワード:台湾IC産業、ファブレス、競争戦略、戦略ストーリー、
      二番手戦略、トータル・ソリューション、選択と集中
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<経営学輪講>
山城慶晃
「組織アイデンティティを用いた研究方法論
 経営学輪講Dutton and Dukerich (1991)
pp. 647-654
 
本稿では、組織アイデンティティ論の著名論文であるDutton and Dukerich 
(1991)をレビューし、同論文で用いられた組織アイデンティティを説明変数とし
た研究方法論について整理する。具体的な研究手順として、(1) 組織事象の時系
列整理、(2) コンテンツアナリシスによる組織アイデンティティの特定、(3) 
織アイデンティティと「組織の解釈」、「感情」、「行動」の紐つけ、という三
つの分析によって、組織アイデンティティを説明変数として扱うことが示される。
 
キーワード:組織アイデンティティ、研究方法論、コンテンツアナリシス
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<研究会報告>
高橋恒一
「学際的な知見の融合・共創による人工知能技術開発」
pp. 655-658
 
人工知能の技術開発に関しては、その普及スピードや影響の大きさから鑑みて、
早い段階から学際的な共創によって将来社会の種々の変化を予測し、社会の変革
に備える必要性が生じている。本稿では、このような活動を目指して始められた
AI社会論研究会の活動や取り組みを紹介する。
 
キーワード:人工知能、全脳アーキテクチャ、価値システム、HELPS
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<研究会報告>
井上智洋
「汎用人工知能と第二の大分岐」
pp. 659-662
 
近い将来、人工知能 (AI) が普及し、社会や人間に大きな影響を及ぼすとの見方
が出てきている。現在普及し始めている「特化型人工知能」から今後現れる「汎
用人工知能」への移行にともなって、第1次産業革命に匹敵するような経済成長
の大分岐が形成され、雇用や働き方に大きな変化が生じるだろう。本稿では、こ
の汎用人工知能が社会に与える影響について、主に経済的な側面から論じていく。
 
キーワード:人工知能、全脳アーキテクチャ、第4次産業革命、雇用 

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