今週のABAS早期公開論文は次の論文です
Fukuzawa, M. (2019).
Critique on the lean production system research.
Annals of Business
Administrative Science (ABAS)は、独立行政法人科学技
術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入して
います。「ABASの日本語サイト」
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
には、日本語の要約も掲載され、早期公開版のダウンロードも可能です。
早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は
不定期になります。ということで、今週は次の論文が早期公開されました。
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Fukuzawa, M. (2019).
Critique on the lean
production system research.
Annals of Business
Administrative Science.
https://doi.org/10.7880/abas.0190403a
Download (Available online May
15, 2019)
1990年代以降、リーン生産方式に関する研究では、効率的な生産組織が持つ特性
リーンネスの測定尺度開発が進み、HPM調査やIMSS調査に起源を持つ Shah and
Ward (2003,2007) が一つの集大成となっている。しかし、その説明力は必ずし
も高くはない。一方、IMVP調査では、質問紙調査に加え、実際に各国の自動車
メーカーの開発・生産現場)を訪問していたが、実は、複数の日本の自動車メー
カーを比較すると、仮にリーンネス尺度にもとづけば高得点でJIT生産を実現して
いると判断されそうな現場であっても、その実現方法・やり方には違いがあった。
大規模かつ国際的・産業横断的な質問紙調査だけでは、こうした違いを測定し検
出することは難しく、そのことが説明力の低さに現れている可能性がある。また
リーンネス尺度でパフォーマンスの差異を説明するアプローチには、国や産業の
違いを超えた「ベスト・プラクティス・リーンな状態」が存在するというリーン
仮説が背後にあるが、説明力の低さはリーン仮説の妥当性に疑問を抱かせる。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/abas/advpub/0/advpub_0161125a/_article
J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報
が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与
され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。
早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を
確定してからJ-STAGEで本公開するとともに、学術論文を中心とした学術情報を
検索して利用できる世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、
ProQuest (有料)にも逐次収録されて、全文ダウンロードが可能となります。
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