今週のABAS早期公開論文は次の論文です
Huang, W. (2019).
Management of exhaustion in continuous product development.
Annals of Business
Administrative Science (ABAS)は、独立行政法人科学技
術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入して
います。「ABASの日本語サイト」
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
には、日本語の要約も掲載され、早期公開版のダウンロードも可能です。
早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は
不定期になります。ということで、今週は次の論文が早期公開されました。
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Huang, W. (2019).
Management of exhaustion in continuous
product development:
The case of a mobile game company.
Annals of Business Administrative
Science.
https://doi.org/10.7880/abas.0190621a
(Available online July 25, 2019)
モバイルゲームのような継続的な開発活動が特徴の製品の場合、(a)バグ対応の
開発負荷に、(b)新規コンテンツの開発負荷が上乗せされ、開発現場が疲弊しが
ちである。本稿が取り上げる事例では、(a)一部のユーザーから指摘のバグ対応
で現場が疲弊したが、バグの多くが特定のイベントやアイテムに関するものだっ
たので、ゲームシステムに関連する緊急事態でない限り、迅速なアップデートは
しないことにした。また、(b)PvE
(Player versus Environment)のコンテンツ消
費スピードが速いため、当初、新規コンテンツはPvE 70%、PvP (Player versus
Player) 30%に配分していたが、PvEのコンテンツ消費スピードが想定以上に速か
ったことで現場が疲弊した。他方、PvPはユーザー生成が主なので、コンテンツ
の追加は頻繁ではないが、妥当性検証に時間がかかっていた。そこで、シミュレ
ーションでユーザー対戦の一部を検証することで、検証時間を約35%短縮し、
PvE 40%、PvP 60%に配分を変えた。(a)(b)により開発現場の疲弊感は解消され
るとともに、(b)でソーシャル性の高いPvPの配分を増やしたことで、新規ユーザ
ーの獲得と既存の課金ユーザーの収益化にも成功した。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/abas/advpub/0/advpub_0161125a/_article
J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報
が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与
され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。
早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を
確定してからJ-STAGEで本公開するとともに、学術論文を中心とした学術情報を
検索して利用できる世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、
ProQuest (有料)にも逐次収録されて、全文ダウンロードが可能となります。
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