今週のAMR早期公開論文は次の論文です
會澤 綾子 (2019)
「不正行為はなぜ常態化するのか: 経営学輪講 Ashforth and Anand (2003)」
『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)
の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入しています。
早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は
不定期になります。ということで、今週は次の論文が早期公開されました。
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會澤 綾子 (2019)
「不正行為はなぜ常態化するのか: 経営学輪講 Ashforth
and Anand (2003)」
『赤門マネジメント・レビュー』
https://doi.org/10.14955/amr.0190925a
(Available online October 18, 2019)
Ashforth and
Anand (2003) は、組織の中で複数人によって行われるグループレ
ベルの集合的不正行為 (collective corruption) に着目し、その発生メカニズム
についてフレームワークを提言した。そして、組織内で複数人によって不正行為
が行われ継続していくことを「不正行為が常態化する (normalized)」と表してい
る。常態化するまでの要因は、(1) 制度化、(2) 合理化、(3) 社会化の三つに分
けられる。リーダーシップにより始まった不正行為は組織内で埋め込まれルーテ
ィン化することで制度化されていく。そしてその行為は合理化されることで関わ
る人々の概念を再構成していく。本来であれば誤りに気付くはずの新規加入者も、
不正行為を行う組織に取り込まれ社会化されていくため、常態化した不正行為を
止めることは非常に難しい。Ashforth and Anand (2003) の提言は、企業におけ
る不正行為が組織ゆえに発生し、かつ継続してしまうということを改めて認識す
ることになるだろう。
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J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報
が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与
され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/amr/advpub/0/_contents/-char/ja/
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