『赤門マネジメント・レビュー』Vol.19, No.6 発行!!
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『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)は、第16巻からJ-STAGEに全面移行し、
偶数月25日発行のオープン・アクセスの隔月刊誌に生まれ変わりました。
昨年末からJ-STAGEも新画面インターフェースに切り替わっております。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/amr/-char/ja/
同時に、隔月刊化にともない、早期公開も始めました。
J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報
が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与
され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。
早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を
確定してからJ-STAGEで本公開されます。
ということで、12月25日に、
『赤門マネジメント・レビュー』(AMR) Vol.19, No.6が発行されました。
バックナンバー検索が便利な
http://www.gbrc.jp/journal/amr/index.html
も、まだ生きています。
目次は下記の通りです。もちろん、すべて無料コンテンツです。
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<査読つき研究ノート>
柳 淳也, 川村 尚也, 山田 仁一郎
「クリティカル・マネジメント研究」("Critical Management
Studies")の系統的レビュー
2020 年 19 巻 6 号 pp.165-192
https://doi.org/10.14955/amr.0200930a
1990年代以降、イギリスを中心にクリティカル・マネジメント研究 (Critical
Management Studies:CMS) が興隆しているが、難解な理論的研究が多く対象も広
範囲にわたり、日本の経営学分野では広く知られているとは言い難い。そのため
本研究ではCMS とは何か、何が「クリティカル」なのか、どういった経緯で誕生
したのか、さらに、どういった対象領域で研究が盛んであるかを明らかにするた
めに系統的レビューを行った。その結果、1) 批判理論から発展したCMS は、現
在では多様な理論的背景をもち、人種、環境、セクシュアリティ、ジェンダーと
いった様々な視座に依拠した研究がなされていること、および、2) CMS を特徴
づけるものとして、非自然化・再帰性・(非) パフォーマンス志向が挙げられ、
近年、パフォーマンス志向についての議論から発展した批判的行為遂行性に関す
る研究が多くみられること、などが明らかとなった。
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<経営学輪講>
會澤 綾子
正統性の追求が諸刃の剣になるとき: 経営学輪講 Ashforth and Gibbs (1990)
2020 年 19 巻 6 号 pp.193-204
https://doi.org/10.14955/amr.0201009a
Ashforth and Gibbs (1990) は、組織が正統性を獲得しようと過度に主張するこ
とが、かえって構成員からの正統性を失ってしまうという悪循環を述べており、
これを「諸刃の剣 (double-edge)」と定義した。そして、組織が正統性を求める
プロセスを「実質的管理法」「象徴的管理法」に分けたうえで、当該プロセスが
実行される局面および当該プロセスを実行するアクターの態度から、諸刃の剣に
なりやすい条件を提示している。Ashforth and Gibbs (1990) によれば、正統性
を「拡充」「防御」する局面では、象徴的管理法になりやすく、アクターが「不
器用」「神経質」「大げさ」な過度な主張を行うことで、かえって正統性の低下
を生みやすくなる。つまり、手法の選択だけが問題なのではなく、正統性が求め
られる局面や、アクターの態度によって構成員による正統性の認知は変わりうる
ということである。構成員による正統性の認知低下は、必ずしも正統性の欠如で
はなく、悪循環の結果なのである。
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