今週のABAS早期公開論文は次の論文です
Kikuchi, H. (2021).
Is boundary-spanning exploration effective?
Annals of Business
Administrative Science (ABAS)は、独立行政法人科学技
術振興機構(JST)の電子ジャーナル・サイトJ-STAGEの早期公開機能を導入して
います。「ABASの日本語サイト」
http://www.gbrc.jp/journal/abasjp/
には、日本語の要約も掲載され、早期公開版のダウンロードも可能です。
早期公開は論文採択後できるだけ速やかに行われますので、早期公開版の公開は
不定期になります。ということで、今週は次の論文が早期公開されました。
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Kikuchi, H. (2021).
Is boundary-spanning
exploration effective?:
Replication study with the
case of vector control technology for electric motors.
Annals of Business
Administrative Science.
https://doi.org/10.7880/abas.0210914a
Download (Available online
October 8, 2021)
Rosenkopf and Nerkar (2001) は、光ディスクを技術ドメインとした特許の引用
データを用いて、組織や技術ドメインの越境引用をした特許の方が、後続の特許
へのインパクトが大きくなることを検証した。しかし、分析結果は、明らかに技
術ドメインの大きさに影響を受けるはずである。そこで本稿では、(a)電動機のベ
クトル制御技術と、(b)(a)を含むより大きい技術分野、を対象として分析し比較し
た。その結果、越境引用をしても、(a)ベクトル制御技術では、ドメイン外インパ
クトは一部あったが、ドメイン内インパクトはなかった。それと比べて、より大
きい技術分野(b)では、ドメイン内インパクトは一部あったが、ドメイン外インパ
クトは減った。つまり、電動機のベクトル制御技術でも仮説は部分的に支持され
たが、技術ドメインを広くとるほど、ドメイン内インパクトは強くなり、ドメイ
ン外インパクトは弱くなる傾向があり、インパクトは技術分野の粒度の設定に依
存している。
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とりあえず論文の内容を日本語で紹介しますが、著者本人による公式の要約では
ないので、ご注意ください。正確に内容をお知りになりたい方は、ぜひ英語の論
文をダウンロードして、読まれることをお勧めします。
J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)は、巻・号・ページ等の書誌情報
が未確定の論文を公開できる機能です。早期公開版も本公開版も同じDOIが付与
され、同一の論文として扱われ、Google Scholarにもデータが提供されます。
早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめて、巻・号・ページ等を
確定してからJ-STAGEで本公開するとともに、学術論文を中心とした学術情報を
検索して利用できる世界的なオンライン・データベースEBSCO host (有料)、
ProQuest (有料)にも逐次収録されて、全文ダウンロードが可能となります。
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