Annals of Business
Administrative Science (ABAS)
Volume 21, Issue 2 がJ-STAGEに本公開されました
Annals of Business
Administrative Science, Volume 21, Issue 2
が、4月15日にJ-STAGEで刊行されましたので、お知らせいたします。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/abas/
今回、Volume 21, Issue 2に掲載されたのは下記の論文3本です。
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Takahashi, N. (2022).
Emergent strategies for gas
stations to survive in a carbon-neutral age:
The challenge of Yamahiro.
Annals of Business
Administrative Science, 21(2), 15-29.
https://doi.org/10.7880/abas.0220204a
(Available online April 2,
2022)
日本語版プレプリント(Jxiv)
https://doi.org/10.51094/jxiv.12
日本では、価格競争によりガソリンで利益の出なくなったガソリンスタンド(GS)
は四半世紀で数が半減した。追討ちをかけるように、日本政府は2035年にガソリ
ン車とディーゼル車の販売を終了する方針を掲げた。そんな中、GSの会社ヤマヒ
ロは、(A)傘下のGSを油外サービスで、車検・点検、洗車・コーティング、レン
タカーの3グループに分け、各店舗の訴求サービスを絞り込んで専門性を高め、
(B) セルフサービスGSにもかかわらず、店頭の人員を減らさずに、車番認証シス
テムと車両情報管理システムを連動させて、油外・サービスの利益向上につなげ、
(C) レンタカー事業と中古車販売事業にもその車両情報を活用してシナジー効果
を生み出し、(D)石油元売から不採算店を従業員丸ごと引き受けて再教育して立
て直すことでGSの数を増やしてきた。こうして、東京圏で業容を拡大するととも
に、利益の40%を油外サービスから稼ぎ出すまでになり、日本経営品質賞(Japan
Quality Award; JQA)を受賞した。
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Tomita, J. (2022).
The logic of bankruptcy of top
manufacturers in photovoltaic industry.
Annals of Business
Administrative Science, 21(2), 31-46.
https://doi.org/10.7880/abas.0220216a
(Available online April 5,
2022)
2000年代後半〜2010年代前半の太陽電池製造では、上位メーカーが数年以内に交
代し、経営破綻していた。なぜこのような現象が起こるのか。一般的には、各国
の太陽光発電産業で、普及促進政策と引き締めによるバブルとその崩壊が起きた
ために、上位メーカーが破綻したと考えがちである。しかし、太陽電池は世界の
どこの国でも売れるもので、しかも、太陽電池の世界市場は拡大し続けているの
で、各国のバブルとその崩壊だけでは太陽電池メーカーの浮沈を説明できない。
実は、(i) 欧米製造企業のターンキーソリューションで参入が容易になったとこ
ろに、中国では、成功者を見て周りがそれを真似てどんどん起業したために、多
数の企業が短期間に次々と起業・参入し、他国の企業は低価格で破綻した。しか
し、(ii) その中国企業でさえ、旺盛な起業による慢性的な供給過剰の中で、稼
働率は低下しており、上位メーカーでも、ちょっとしたきっかけが致命傷となり
破綻していった。
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Ichikohji, T., Nakano, K.,
& Ogami, M. (2022).
Hot market (Abenomics) impact
on the time to IPO.
Annals of Business
Administrative Science, 21(2), 47-60.
https://doi.org/10.7880/abas.0220125a
(Available online April 6,
2022)
日本語版プレプリント(Jxiv)
https://doi.org/10.51094/jxiv.3
本研究では、IPOにまで至る時間というスタートアップのパフォーマンスに、こ
れまであまり顧みられてこなかったマクロ環境の影響について検討している。日
本の経済環境がホットマーケットへと移った2012年の終わり(アベノミクスの始
まり)を境として、IPO企業について、対象市場、対象企業の特性(起業type)、実
質的な創業タイミングといった変数を考慮した分析を行った。結果として、経済
的に良い環境にある方が、創業から上場までの平均時間が長くなる現象がみられ
た。これは様子見をしていたスタートアップが、景気が良くなることにより、
IPOを果たせるようになったからだと考えられる。つまり、単純にパフォーマン
ス指標としてIPOまでの時間を用いることには疑問があり、用いる際には注意が
いる。
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