『赤門マネジメント・レビュー』Vol.22,
No.5発行!!
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『赤門マネジメント・レビュー』(AMR)は、J-STAGEで、偶数月25日発行のオープ
ン・アクセスの隔月刊誌です。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/amr/-char/ja/
また、早期公開もしております。J-STAGEの「早期公開」(Advance Publication)
は、巻・号・ページ等の書誌情報が未確定の論文を公開できる機能です。早期公
開版も本公開版も同じDOIが付与され、同一の論文として扱われ、Google Scholar
にもデータが提供されます。早期公開された論文は2ヶ月に1号のペースでまとめ
て、巻・号・ページ等を確定してからJ-STAGEで本公開されます。
ということで、10月25日に、
『赤門マネジメント・レビュー』(AMR) Vol.22, No.5が発行されました。
バックナンバー検索が便利な
http://www.gbrc.jp/journal/amr/index.html
も、まだ生きています。
目次は下記の通りです。もちろん、無料コンテンツです。
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〈査読つき研究ノート〉
真玉 修司
「日本トラック運送の課題とデジタル技術活用」
2023 年 22 巻 5 号 pp. 177-198
https://doi.org/10.14955/amr.0230323a
日本のトラック運送は、運送需要の低迷や低収益、トラックドライバーの高齢化
や長時間・低賃金労働による低待遇のため持続性の危機にあると言われている。
本研究では、トラック運送の危機を受けて、運送サプライチェーン関与者が、課
題解決の本命とされるデジタル情報の活用をどのような観点で推進しているかを、
インタビューを含む調査で明らかにする。調査の結果、デジタル情報活用推進は、
危機に瀕しているトラック運送事業者の為というよりは発荷主・着荷主の運送効
率化の為の活用推進となっていることが分かった。その背景には、運送を委託す
る荷主とトラック運送事業者間、及び運送を受け持つトラック運送事業者間の取
引関係があることを明らかにした。
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〈経営学輪講〉
山城 慶晃
「プラグマティズムでとらえなおすルーチン:
経営学輪講シリーズ「組織ルーチンはどのように創られ、維持され、変化するのか
─Howard Grenville et al. (2016)」」
2023 年 22 巻 5 号 pp. 199-208
https://doi.org/10.14955/amr.0230601a
第2章では、ルーチン・ダイナミクスに至る組織ルーチン研究の変遷を整理し、
ルーチン・ダイナミクスの現状と課題が考察される。本章でとりわけ特徴的なの
第3章はプロセス論的な観点をとるルーチン論についてプラグマティズムの概念
を用いた新しい問題解決のモデルの構築を試みている。まず、従来のルーチン論
について、プロセス論的な観点からとらえようとしたときに、(1)二元論、(2)組織
化と学習についての不一致に基づいた理論、(3)時間的な問題、(4)ミクロ・マクロ
問題という四つの障害があることを指摘している。そのうえで、プラグマティズ
ムの概念のなかから習慣、探究、会話的なトランスアクションの三つを取り上げ
て、問題解決のプロセスに適用して、プロセス論的な観点に則った新しいアプロ
ーチを構築している。ただし、第2章においては、プロセス論的な観点を取り入
れるときに必須の要素として、パターニングとパフォーミングを不可分なものと
してとらえるということが言われている。これはすなわち二つの行為の要素がそ
ろってこそプロセス論的なルーチン論といえることを意味している。すると、第
3章の議論は、パフォーミングのみを精緻化したものとしてとらえられることとな
り、プロセス論的なルーチン論として不十分であり、さらなる理論的な発展を求め
られると考えられる。
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