コンテンツ産業研究会設立趣旨
コンテンツとは、パソコンやゲーム機、その他家電製品などのプラットフォームの存在を前提に、その上で利用される知的生産物の総称である。
広義のコンテンツには情報財一般が含まれるが、本研究会ではより狭義のコンテンツ、エンターテイメント性が高い情報財を研究対象とする。
今日消費者が利用している具体的コンテンツとしては、映画、テレビ番組、音楽、出版物、ゲーム、デジタルアート、パフォーマンス芸術、 プロスポーツなどが挙げられる。
経済のサービス化、すなわち、従来のようにハードウェア製品のみを開発、製造、販売しても企業の成長、経済発展の余地が乏しくなり、代わって、サービスやハードウェア製品を補完する
ソフトウェア製品によって企業成長・経済発展を目指すべきだ、と言われて久しい。だが、昨今の技術革新、特に情報通信技術のめざましい発展は、こうした見通しが単なる将来予測ではなく、
現実味を帯びた事実になりつつあることを内包しているように思われる。 経済全体が経験しつつあるこのような大きな状況の変化の中において、経済システムは、企業はどうあるべきだろうか。これが本研究会の根本的問題意識である。
従来型の経済システム・企業マネジメントの維持、あるいはその微調整で事足りるのか、それとも、新たな経済システム・企業マネジメントの あり方を模索し、実践していくことが必要であるのか、
それを明らかにしようとするのが本研究会の目指すところである。 ただし、経済のサービス化全体を捉えようとすれば、その範囲と対象は非常に広く、調査、考察、分析は散漫なものに陥る危険性がある。
そこで本研究会では、経済のサービス化を最も早く具現化し、かつ今後も牽引して行くであろうと考えられるコンテンツ関連の産業に対象を絞り、前述の問題意識に応えようとするものである。
なお、本研究会は、その前身を家庭用ゲーム産業に対象として発足した、テレビゲーム産業研究プロジェクトにもっている。 テレビゲーム産業研究プロジェクトの概要については、旧テレビゲーム産業研究プロジェクトのコンテンツを、その研究成果については、「ゲーム産業の経済分析―コンテンツ産業発展の構造と戦略―」
(東洋経済新報社,2003年刊行)を参照されたい。
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